女:お仕置き
捨てたい雑誌を紐で縛ろうとしたとき
ものすごく怒った顔の彼がやってきた
彼は会社では役職的に
上から数えたほうが早い位にいる
そんな彼が古雑誌の梱包をかってでてきた
ものすごく怒っている
私の部下も心配そうに見守っている
彼はこの部下と私の
仕事上の会話ですら許さないのだ
部下は彼のようにガツガツした感じはなく
男性として見たことなど一度もない
なのにあろうことか
「奴が私の胸元を覗き込もうとしてる」
と妄想の中で激怒しているのだ
私は特に色っぽい感じとは対照的な人間だ
彼の妄想癖は止まらない
会社のメンバーの複数人の送別会でさえ
連絡がないと怒り狂うのだ
出張は必ずついてきて
一晩中共にする
お互いの肺から
酸素を欲し供給するという
通常の男女の営みだけでは物足りず
一つになりたすぎてそんなことをする私達に
誰も敵うわけがないのに