女:女は男の排泄処理の道具
私は彼の事が好き
一緒にいると
心から爆笑できるのだ
彼は私をよく笑う人と思ってるけど
面白くない事は絶対笑わないし
本来そこまで声をあげて笑うほどの面白い事に
出会える方が奇跡だと思ってる
爆笑しない日はないほど
面白いのは彼なのだ
芸能人のお笑い界の人達を
あたかも先輩かのように
あたかも自らお笑い界に在籍してるかのように
さん付けで呼ぶのも理解できる
やはり彼はそれだけ面白いのだ
そして彼を好きな理由は
抱きしめて抱きしめられた時の
彼の匂いと感触は
例えようのない安心感に包まれる
いや
彼の匂いと感触が好きな理由ではなく
彼自体を好きだから好きになったのかもしれない
とにかく
まだまだ理由はあるのだけど
それはまた書き連ねることにします
だけど
そんな彼には大きく欠如している感性がある
それは非常に大きな欠落だ
彼は知らない
理解できない
「性別を超えた仲間」
を体感したことがない大きな欠落
フィールドに立たなかった控え選手が
どんな想いで仲間をたたえてるか
乾きや疲労に耐えた
夏の暑い日照り
死を連想するような激しい練習は
今試合で戦ってるメンバー
外野から応援してるメンバー
分け隔てなく同仲間として乗り越えてきたのだ
見てほしい
自然と仲間と肩を組み
一丸となって叫ぶ姿を
一つになる事の
体現の仕方
この素晴らしさを
私はまだ入社して5年ほどだ
だけども目まぐるしく成長してきた軌跡をしっている
大変な事もあったし
仲間に恵まれてここまできた
そんな感謝で包まれた会社の忘年会で
自然と肩を組み
栄光の架け橋を熱唱することは
ごく自然な流れ
すごくハートフォーミングになり
そんな仲間達と二次会へ行こうと外に出たとき
脳天に思いがけない刺激が走り
私は膝から崩れ落ちた
激痛の中状況が飲み込まないまま
聞こえてきた声
「風俗嬢か?」
耳を疑った
まさか
こんな仲間たちが
ここまでの歩みを振り返り
感激して歌ったあの円陣の肩を組んだ様が
彼には
性的な快楽の場
に見えていたようだ
私は逆に恐ろしくなった
会社の女性は早く逃げた方が良いと思った
あんな感動の場面でも
彼は冷徹に
「女は男の排泄処理の道具」
としか見ていないのだ
私は脳天を成人男性の渾身の力で殴れた
身体的恐怖と精神的弾圧で
会社の飲み会で全く酔わなくなってしまった
そんな身体になってしまったのだ